上記のように思う看護師は多いです。新人指導をする際は、期待しすぎてはいけません。この記事では、新人看護師にイライラする理由や対策、心の持ちようについて詳しく解説します。
記事を読めば、苦手な新人指導を楽しめるようになります。
看護師が新人指導でイライラする5つの理由
看護師が新人指導でイライラする理由は、以下のとおりです。
教えたことをすぐに忘れてしまう
新人が教えたことをすぐに忘れてしまうのは、覚えるべき情報が多く、緊張や焦りで記憶が定着しにくいからです。
何度も同じ質問をされると「またか…」とイライラしてしまいますが、新人はわざと忘れているわけではありません。
何度も同じことを質問してくる
新人が何度も同じことを質問してくる理由は、以下のとおりです。
「またか…」と感じ、イライラが募りやすくなります。
態度が悪い、やる気が感じられないと感じる
新人がやる気がないように見えるのは「緊張して動けていない」や「指示が明確に伝わっていない」ことが原因の場合があります。
表情が硬い新人や、言われたことをすぐに実行しない新人は、「無気力だ」と判断されがちです。業務の指示を出した際に「はい」と返事をしてもすぐに行動しない新人がいると、「何で動かないの?」と感じてしまいます。
しかし、実際には「どう動けばいいかわからない」「指示が理解できていない」というケースが多いです。
自分の業務が滞ってしまう
新人はまだ業務の流れを把握できておらず、指導中はマンツーマンでのサポートが必要です。その結果、指導者の業務は中断を余儀なくされ、時間が足りなくなります。
急変対応や緊急業務が発生すると、新人へのフォローが追いつきにくいです。「やるべきことが山積みなのに、時間が足りない」と感じてイライラしてしまいます。
感情的になってしまう自分に対して、自己嫌悪を感じる
看護師の新人指導は、自分の業務をこなしながら行うため、精神的な余裕がなくなりがちです。
人は余裕がないと感情的になりやすく、つい強い口調で言いすぎてしまうことがあります。「なんであんな言い方しちゃったんだろう…」と自己嫌悪に陥る人も多いでしょう。
感情的になったことを責め続けると、自己否定が強まり、次の指導にも悪影響を与えてしまいます。
新人指導でイライラしないための7つの対策
新人指導でイライラしないためには具体的な対策をとることが大切です。新人指導でイライラしないための対策について、以下を解説します。
指導の「ゴール」を明確にする
新人指導でイライラしないためには「ゴールを明確にする」ことが大切です。曖昧な目標のまま指導を進めると「何をどこまで教えるべきか」が不明瞭になり、双方の不安や不満が募ります。
新人も「できた」という達成感を得やすくなり、指導の成果が目に見えてわかるため、モチベーションの向上にもつながります。ゴールは「具体的かつ期限付き」に設定し、新人と共有することがポイントです。
指導の手順が明確になると、教える側も教えられる側も、前向きな気持ちで取り組めるようになります。
質問の仕方をルール化する
質問の仕方をルール化することで、無駄な質問が減り、業務がスムーズに進みます。新人は業務を覚える段階でわからないことが多く、どう質問していいかわからない場合が多いです。
その結果、「今、聞くべきではない質問」や「考えれば分かる質問」が多発し、指導者の負担が増加します。質問の仕方のルールの具体例は以下のとおりです。
質問の仕方をルール化することで、新人が考える力を養い、指導者の負担を減らせます。
感情的にならず、冷静に対応する
感情的にならず、冷静に対応するためには、一呼吸置く習慣と視点の切り替えが必要です。感情的になると、声が大きくなったり言葉がきつくなったりして、新人が萎縮してしまう可能性があります。
新人が委縮すると、質問しづらくなり、成長が遅れる悪循環に陥ります。
新人が何度も同じミスをした場合、すぐに叱るのではなく「なぜ間違えたのか?」と問いかけてみましょう。ミスの原因がわかれば、解決方法が見つかります。
イライラしそうになったら6秒間深呼吸をしましょう。感情をコントロールしやすくなります。冷静な対応は、新人の成長を促すだけではありません。自分の精神的な負担も軽減できます。
「感情的に言うよりも、冷静に伝えた方が効果的」という考え方を持つと、ストレスが減り、仕事がよりスムーズに進みます。
1人で抱え込まず、周囲に相談する
新人指導でイライラしないためには、1人で抱え込まず、周囲に相談することが大切です。特に子持ち看護師は、家庭と仕事の両立でストレスを抱えやすいため、上司や同僚の協力を得るのが得策です。
新人指導は「教える」という責任が伴うため、自分だけで抱え込むと負担が大きくなります。業務も同時にこなす必要があるため、精神的にも体力的にも疲労が重なり、イライラが募りやすいです。
相談は恥ずかしいことではなく、プロとしての成長の一環です。上司や同僚の知恵を活用することで、より良い指導環境を築きましょう。
新人の成長を数値化してポジティブに捉える
新人の成長を「数値化」することで、ポジティブな気持ちで指導に臨めるようになります。新人の成長は、日々の変化が小さすぎて見えにくいです。
数値化することで、少しずつ成長していることを客観的に把握でき、イライラの原因となる「なかなか成長していない」という思い込みを防げます。数値化する方法の具体例は、以下のとおりです。
数値で成長が確認できれば、イライラも軽減され、教える側のストレスも軽くなります。
成長の見える化を取り入れて、イライラしない新人指導を実現しましょう。
自分の考え方や捉え方を変える
新人指導でのイライラを減らすためには、「自分の考え方や捉え方を変える」ことが大切です。多くの看護師は「新人はすぐに成長するべき」「一度教えたら覚えてほしい」と考えがちです。
しかし、新人は全員が同じスピードで成長するわけではありません。自分の考え方や捉え方を変える具体例は、以下のとおりです。
視点を変えることで、新人と共に成長する前向きな関係を築きましょう。
自分のストレス発散方法を見つける
看護師の新人指導でイライラを溜めないためには、自分なりのストレス発散方法を見つけることが大切です。新人指導は想定外の出来事が多く、忙しい日々の中で自分の感情をコントロールするのは難しいものです。
日々の業務でのイライラを軽減し、心に余裕を持つためにも、今すぐ自分に合ったストレス発散方法を見つけましょう。
「呼吸法」や「ストレッチ」は、職場の隙間時間にもできるため、おすすめです。
イライラが限界に達する前に試したい「4つの心の持ち方」
どんなに意識をしてもイライラ全てをなくすことはできません。イライラが限界に達すると、心身ともに大きな負担です。イライラが限界に達する前に試したい心の持ち方について詳しく解説します。
新人の立場を考えて共感する
新人は不安やプレッシャーを抱えながら新しい環境に適応しようとしています。未経験の業務に取り組む新人の気持ちを理解し、共感することで、自然とイライラが減り、余裕をもって指導できるようになります。
「どうしてこんな簡単なこともできないの?」と感じたとき、自分が新人だった頃を振り返ってみましょう。当時も同じようなミスをして、先輩からの指摘にドキドキした経験があるはずです。
経験を思い出すことで、相手の緊張や不安に共感し「大丈夫だよ」「ここはこうすればもっと良くなるよ」と優しい言葉をかけられるようになります。
新人だけでなく、自分自身の心の余裕も生まれ、イライラする場面を減らすことが可能です。
「期待しすぎない」ことでイライラを減らす
新人に完璧を求めすぎると、「なんでできないの?」という感情が湧きやすくなります。適切な期待値を設定することで、ストレスが軽減されます。
看護師は「自分もこれくらいできたから、新人もできて当然」と考えがちです。しかし、新人の能力や成長速度は人それぞれ異なります。高すぎる期待は、指導者自身の心の負担を増やし、イライラの原因となります。
新人は成長するための「まだ未完成の存在」であると捉えることが大切です。新人に対する期待を見直し、できていなくて当たり前と考えると、気持ちが楽になります。
「短期的な成長」よりも「長期的な成長」を意識する
新人指導では、短期的な成長ではなく、長期的な成長を意識することが大切です。目の前の失敗やできない部分に注目しすぎると、イライラが増してしまいますが、1年後や数ヶ月後の成長をイメージすれば、心に余裕が生まれます。
看護の現場では、患者ごとに求められる対応が異なるため、1回の説明で完全に理解するのは難しいです。短期的な結果を求めすぎると、何度も同じ説明をするたびにイライラしてしまいますが、「今はまだ成長途中」と考えると気持ちが楽になります。
新人の「今の姿」ではなく、「数ヶ月後の姿」を想像して、成長の過程を一緒に楽しむつもりで指導にあたりましょう。
「教えることで自分も成長できる」と考える
新人に教える作業は、自分が当たり前だと思っている知識やスキルを言語化する必要があります。「自分の理解を深める」絶好の機会です。
何気なく行っていた看護の技術や思考プロセスを振り返ることで、仕事の効率が上がったり、改善点が見つかったりすることも少なくありません。
新人指導は「教える」という一方通行の作業ではありません。自分のスキルを再確認し、改善点を見つける絶好のチャンスと捉えましょう。
どうしてもイライラが止まらないときの「3つの緊急対処法」
どうしてもイライラが止まらないときの緊急対処法は以下のとおりです。
その場から一時的に離れる
イライラがピークに達したときは、その場から一時的に離れることが最も効果的な対処法です。物理的な距離を取ることで、冷静な判断ができるようになります。
感情が高ぶった状態では、人間の本能的な反応が原因で物事を客観的に考えたり冷静に対応したりするのが難しくなります。
新人が同じミスを何度も繰り返し、つい声を荒げそうになるときは、あえて「ちょっとトイレ行ってきますね」と声をかけて場を離れましょう。そのわずかな時間で深呼吸をし、気持ちをリセットできます。
すぐに戻らなければならない場合も、10秒程度の深呼吸をするだけで気持ちが落ち着きます。
感情に振り回されず、冷静に対応するために「一時退避」を習慣にしましょう。
感情の切り替え方法を身につける
感情の切り替えを身につけることで、イライラが爆発する前に冷静さを取り戻せます。看護師の現場は忙しく、イライラを抱えたまま仕事をすると、ミスが起こりやすくなります。
感情が高ぶると冷静な判断ができなくなり、新人への指導も感情的になりがちです。新人も委縮してしまい、成長の妨げになります。感情の切り替え方法として、以下の方法が効果的です。
「6秒ルール」を活用する
イライラを感じたら、6秒間深呼吸をしてみましょう。怒りの感情は6秒程度で和らぐと言われています。
ポジティブな言葉を自分にかける
「大丈夫」「これは新人の成長過程だ」と自分に言い聞かせるだけでも感情が落ち着きます。
一時的に場を離れる
休憩室やトイレに行き、冷静になる時間をつくりましょう。一時的にその場を離れるだけで、気持ちをリセットする効果があります。
イライラは「抑える」よりも「切り替える」ことが大切です。自分を責めるのではなく、「今できること」に意識を向けましょう。
信頼できる先輩や上司に相談する
新人指導でイライラが収まらないときは、信頼できる先輩や上司に相談するのが効果的な解決策です。 1人で抱え込んでしまうと、感情のコントロールが難しくなり、負の連鎖に陥る可能性があります。
先輩や上司に相談することで、共感してもらえたり、実際の指導方法についてアドバイスがもらえたりするため、イライラが軽減されます。信頼できる先輩や上司は、新人指導に関する知識や経験が豊富な存在です。
相談することで、自分では気づけなかった視点や改善策が見つかります。
Q&A:新人指導でのイライラに関するよくある質問
新人指導でのイライラに関するよくある質問について回答します。新人指導で悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
新人が覚えが悪いと感じたらどうすればいい?
新人が覚えが悪いと感じたときは、教え方を工夫し、成長を支援する姿勢が大切です。 覚えが悪い原因は、新人の能力不足だけではありません。緊張や不安、情報量の多さが原因のこともあります。
教え方が合っていない場合も多く、教え方を変えるだけで解決する可能性があります。具体策は以下のとおりです。
自分も新人だったころを思い出し、成長を支える立場で接することで、イライラが軽減されるはずです。
「覚えが悪い」と感じたら、教え方を見直してみましょう。
自分がイライラしすぎて自己嫌悪に陥った場合は?
自己嫌悪を感じたら、「完璧な指導者でなくても良い」と自分を受け入れましょう。誰でも感情的になる瞬間はありますが、大切なのはその後の対応になります。
新人指導は、先輩看護師にとっても「成長の過程」です。指導者もすべてを完璧にこなす必要はなく、イライラしてしまうのは人間らしい反応です。
業務が立て込んでいるときに、新人から何度も同じ質問をされると「もう何回も教えたよ!」と感情的になってしまうことがあるかもしれません。感情的な発言をしてしまったら、素直に謝ることで、新人からの信頼も得られます。
指導は「自分の成長の機会」でもあると考え、前向きな気持ちで向き合いましょう。それでもイライラが治らない場合は、働き方を見直すのも一つの方法です。まずは看護師転職サイトに登録しましょう。
登録は無料であり、経験豊富なキャリアアドバイザーに相談ができます。
まとめ
新人指導でイライラするのは当たり前ですが、対策を講じることでストレスを軽減し、指導の質も向上します。
看護師が新人指導でイライラする主な理由は、教えたことを忘れる、同じ質問を繰り返す、態度が悪いと感じるなどが挙げられます。特に子持ち看護師は、仕事と育児の両立による時間的な余裕のなさが、感情的な反応につながることも多いです。
イライラを防ぐには、質問の仕方をルール化する、成長を数値化して前向きに捉える、感情のコントロール方法を身につけるといった対策が有効です。新人の立場に共感し、短期的な成長ではなく長期的な成長を意識することで、心の余裕が生まれます。
この記事のポイントを参考にして、新人の成長を楽しむ心の余裕を持ちましょう!
子持ち看護師が総合病院で働くための工夫について書いた記事です。ご覧ください。