退職を控えている、または退職した看護師の中には、失業保険だけでは経済的な不安を感じている人も多いのではないでしょうか?
実は、正しく手続きを行えば失業保険受給中でもバイトをして、追加収入を得られます。この記事では、失業保険の基本的な仕組みや、失業期間中にバイトをするメリットや注意点を詳しく解説します。
失業期間中でも効率よく追加収入を得ながら、自分に合った職場を見つけたい人はぜひ最後まで記事を読んでください。
失業保険と受給条件について
失業保険は、離職した人が失業中の生活に不安を感じることなく、安心して再就職先を探すために支給される制度です。失業保険の受給は誰でも受けられるわけではありません。
一定の条件があることに注意が必要です。ここでは、失業保険を受けるための条件や受給申請に必要な書類についてまとめます。
失業保険とは働く意志がある人に対する失業中の経済支援制度
失業保険は雇用保険に加入していた人が離職後に受けられる公的な経済支援制度です。失業保険を受給するためには「就職しようとする意思があるが、職業に就けていない状態」である必要があります。
以下に当てはまる人は受給できないので注意が必要です。
雇用保険の加入状況は、給与明細やマイナポータルで確認できます。マイナポータルを使った確認方法については厚生労働省のリーフレットをご覧ください。
失業保険の受給するために必要な書類と条件について
失業保険を受給するために必要な書類は以下のとおりです。
雇用保険被保険者離職票は、会社がハローワークに発行を依頼し、会社から退職者へ渡されます。退職後約2週間で届くのが一般的です。失業保険を受給するための条件は以下のとおりです。
書類が揃っていても、条件を満たしてなければ失業保険は受給できないため注意しましょう。
失業保険受給までの4ステップ
失業保険を受給するためには、申請手続き後に雇用保険説明会へ参加し、さらに求職活動の実績を積む必要があります。ここでは、失業保険を受給するまでの4つのステップを解説します。
ルールを守らないと、失業保険の振り込みが遅れたり、支給が停止されたりする可能性があるため、注意が必要です。
ハローワークで失業保険の申請を行う
失業保険を受給するためには、ハローワークで申請を行う必要があります。ハローワークの所在地は、厚生労働省のHPに掲載されているので確認しましょう。
ハローワークでは書類の確認を行い、受給資格があるかを判定されます。離職理由も改めて確認されます。
離職理由によって給付制限期間が変わるため、異議がある場合は担当者へ相談をしましょう。ハローワークが事実関係を調査し、離職理由を再判定します。
所要時間は1時間程度ですが、転職者が多い年末年始や3〜5月は、特に混雑するため時間に余裕を持って行動しましょう。
雇用保険説明会への参加
ハローワークで失業保険を申請した後は、7日間の待機期間があります。待機期間終了後の1〜2週間後に、ハローワークで雇用保険説明会があるので参加しましょう。
雇用保険説明会は1時間程度で、雇用保険制度や求職活動の進め方などの説明を受けます。雇用保険説明会が終わると、「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」が渡されます。失業認定日に使用するため、大切に保管しましょう。
自己都合退職の場合は待機期間の後、原則2か月間の給付制限期間があります(5年以内に2回を超える場合は3か月)。
ハローワークで求職活動報告を行い失業認定を受ける
失業保険を受給するためには、認定日にハローワークで求職活動の報告を行い、失業認定を受ける必要があります。
求職活動実績として、以下が挙げられます。
求職活動実績は、認定日から次の認定日の前日までの間に原則2回以上必要です。
インターネット上で求人情報の閲覧や看護師派遣サイトへの登録だけでは実績とならないので注意しましょう。
約7日後に失業手当が振り込まれる
失業認定を受けた約7日後に登録した口座へ失業手当が振り込まれます。失業認定日は基本的に4週間毎に設けられ、定期的に失業認定を受けることで継続して失業手当を受け取ることが可能です。
就職先が決まった場合、就業の前日にハローワークに行って届け出ることで、就業の前日分まで失業保険を受給できます。就職が決まった時点で受給停止になるわけではないため、安心してください。
看護師の失業保険はいくら貰えて何日間受給できる?
失業保険で受給できる金額と日数は、過去の給与や勤続年数、退職理由によって決まります。給料が比較的高い病棟看護師は、基本手当の日額も高いことが多いです。
ここでは、失業保険の受給額や受給日数について解説します。
基本手当日額の計算方法について
失業保険で受給されるお金の正式名称は「基本手当」と呼ばれます。基本手当日額の目安は、賞与や退職金を除く退職前6か月の平均給料の50〜80%程度です。給料が高いほど給付率が下がります。
30歳以上45歳未満の人の基本手当日額の計算方法は以下のとおりです。
賃金日額(A) | 基本手当日額(B) |
---|---|
2,869円以上5,200円未満 | B=0.8×A |
5,200円以上12,790円未満 | B=0.8A-0.3{(A-5200)/(12790-5200)}×A |
12,790円以上15,690円未満 | B=0.5×A |
15,690円以上 | B=7,845 |
例えば、30代看護師の平均月収33万円で考えると基本手当日額は約6,278円になります。失業保険の受給額は基本手当日額×受給日数で計算可能です。
他の年代に関しては、厚生労働省が示している基本手当日額の計算方法を確認してください。
失業保険の受給日数早見表を紹介
失業保険の受給日数は、年齢や離職理由、雇用保険に加入していた期間などによって決まります。90〜360日の幅があり、再就職先が見つかるまでもらえます。
失業保険の受給日数の早見表は以下のとおりです。
離職理由 | 年齢 | 雇用保険に加入していた期間 | ||||
1年未満 | 1年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上20年未満 | 20年以上 | ||
自己都合・定年退職 | 全年齢 | 90日 | 90日 | 120日 | 150日 | |
閉院などの病院都合 | 30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | ー |
30歳以上35歳未満 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 | ||
35歳以上45歳未満 | 150日 | 240日 | 270日 | |||
45歳以上60歳未満 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 | ||
60歳以上65歳未満 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 | ||
就職困難 | 45歳未満 | 150日 | 300日 | |||
45歳以上65歳未満 | 360日 |
失業保険は、原則離職日の翌日から1年以内の失業している日に対して支給されます。失業保険の受給日数が残っていても、失業から1年以上経ってしまうと受給できなくなるため注意が必要です。
しかし、妊娠や出産などの理由で就業できなくなった場合、申請することで離職日の翌日から4年以内まで受給期間を延長できます。
失業保険受給中も看護師バイトはできる
失業給付を受け取りながら看護師バイトをすることは可能です。失業中にバイトをすることで経済的に安定しながら、スキルの維持・向上が期待できます。
ここでは、失業中に看護師バイトをするメリットと、申告方法についてまとめます。
看護師が失業保険受給中にバイトをするメリット
看護師が失業保険受給中にバイトをするメリットは以下のとおりです。
失業保険は前職の給料の5〜8割程度しか受給できません。自己都合退職の場合、給付制限期間が2か月間あるため経済的にもブランク的にも不安が大きいです。
しかし、バイトを行えば経済的に安定し、スキルを維持・向上できます。看護師バイトは他のバイトよりも時給が高いため、短時間でも効率的に稼げます。
興味がある業界でバイトを行い、自分に適した業界や働き方がわかることもメリットです。
失業保険受給中に看護師バイトをした時の申告方法
失業保険受給中に看護師バイトをした時は、失業認定日に報告する必要があります。具体的には、「失業認定申告書」にバイトをした日と収入を得た日をルールに従い記入します。
虚偽の申告をした場合は重い罰則があるため正直に申告しましょう。
看護師が失業保険受給中にバイトをする際に注意するべきこと
失業保険を受給しながらバイトをする際には、制度のルールを正しく知っておくことが重要です。ここでは、特に注意するべきことを5つまとめます。
ルール違反や損をせずに看護師バイトをしたい人は必ず押さえておきましょう。
7日間の待機期間はバイトをしてはいけない
ハローワークで失業保険の申請を行った日を含めた7日間はバイトをしてはいけません。理由は、失業保険申請後7日間は「待機期間」と呼ばれ、失業していることを判定する重要な期間だからです。
待機期間にバイトをした場合、支給開始日が遅れるため注意しましょう。
待機期間満了後の給付制限期間や失業保険受給中のバイトは問題ありません。
週に20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがあるバイトはしない
週に20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがある場合、雇用保険加入義務が発生します。雇用保険加入により就職したとみなされて失業保険が受給できなくなるため注意が必要です。
厚生労働省の定義では、「31日以上の雇用見込みがある」とは以下の状態をいいます。
看護師バイトをする場合、雇用契約がどうなっているかを必ず事前に確認しましょう。
バイトした日数と賃金を失業認定日に正しく申告する
申告方法に虚偽の報告をして不正受給した場合、以下の罰則があるので注意が必要です。
不正受給は必ず発見されるため、正しく申告しましょう。
1日4時間以上働いたら基本手当が1日先送りになる
失業保険受給中に1日4時間以上働いた場合、基本手当の支給が1日分先送りになります。
受給日数が延長されても、受給可能期間を過ぎた分の失業保険は受け取れないので注意が必要です。
4時間未満のバイトでも、支給額が減額されることがある
4時間未満のバイトでも、賃金によっては支給額が減額されることがあります。具体的には、「基本手当日額+バイト収入‐控除額(1354円)」が前職の賃金日額の8割を超える場合です。
前職の賃金日額の8割以上稼いだときは、超えた分だけ失業保険が減額されるため注意しましょう。1日のバイトで基本手当日額以上の額を稼いだ場合、1日分の失業保険は不支給となり、受給日数も消化されます。
看護師バイトは時給が良いことが多いため、4時間未満で稼ぎすぎると損をする可能性があります。計画的にバイトをしましょう。
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まとめ
失業保険を受給しながら看護師バイトをすることで経済的に安定し、さらに自分にあった働き方をみつけられます。失業保険を受給しながらバイトをするときは、以下の点に注意しましょう。
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辞めた後に押さえるべき手続きについて詳しく書いた記事です。ご覧ください。