以上のように悩む子持ち看護師は多いです。
この記事では、子持ち看護師が辞めた後に、制度面で押さえるべきポイントについて解説しています。記事を読めば「総合病院を辞めてもとりあえずなんとかなる」と不安を軽減することが可能です。
病院を辞めてから困らないため!押さえるべき4つの手続き

病院で働いているときには、社会保険料や国民年金保険は給料から天引きされていました。しかし、退職してからは自分で手続きと支払いを行う必要があります。退職すると、基本的には保育所も利用できません。
ここでは、病院を辞めてから困らないために押さえるべき4つの手続きについて解説します。
保育所の手続き
保育所は、保護者の就労や病気などの事情で家庭での保育ができない場合に利用できます。辞めた後は、保育所は利用できません。
しかし、退職してから求職活動をすれば、一定期間のみ引き続き利用できる場合があります。利用が続けらる求職猶予期間は、2〜3か月が一般的で、各自治体によって異なります。
2〜3か月ではあっても、保育所の利用を延長したい場合、お住まいの区役所に相談するのがおすすめです。
ただし、院内保育所はほとんどの場合で利用延長ができません。院内保育所は、病院の福利厚生の一環だからです。退職後の利用の可否は、就業規則を確認するか直接院内保育所に確認しましょう。
健康保険の手続き

健康保険とは、被保険者がけがや病気をした際に備えるための公的な保険制度です。病院を受診した際に、保険証を提出すると3割負担になるのは健康保険のおかげです。
病院を辞めると今まで使っていた保険証は使用できません。自分で保険を選択し、加入する必要があります。以下の健康保険の選択肢について、解説します。
国民健康保険
国民健康保険は、自営業や無職の人が加入する制度です。国民健康保険は、口座振替や納付書で支払う必要があります。支払額は、前年度の収入や家族構成、年齢によって変動します。
管轄の区役所で計算してもらえるので、問い合わせて支払額を確認するのがおすすめです。
任意継続

任意継続とは、勤務していた病院の健康保険を継続する方法です。退職翌日から20日以内に、加入していた健康保険組合に任意継続被保険資格取得申出書を提出することで、継続できます。
給料明細に記載している被保険者健康保険料を約2倍にした値が、おおよその保険料です。健康保険組合に問い合わせると保険料を確認できます。退職前に任意継続をしたい旨を伝えると、事前に書類を送ってくれるため、焦らずに手続きを行うことが可能です。
扶養に入る
パートナーの扶養に入ると、パートナーが加入している健康保険に加入できます。扶養に入ると社会保険料はかかりません。扶養に入るには、パートナーの会社に以下の書類を提出する必要があります。
パートナーの会社の庶務係に配偶者を扶養に入れたい旨を申し入れると、手続き方法を説明してくれます。扶養に入る場合は、パートナーに庶務係に問い合わせてもらいましょう。
国民健康保険か任意継続かで悩む場合は、保険料で比べるのがおすすめです。

ただし、任意保険を選択する場合は、退職後20日までに手続きをしないといけないため注意しましょう。
国民年金の手続き

看護師を辞めた後、管轄の区役所の国民年金課に行く必要があります。病院に勤務していたときは、厚生年金に加入していました。辞めた後は新たに国民年金への加入手続きが必要です。
手続きに必要なものは以下のとおりです。
国民年金は16,980円(令和6年度)です。年度により異なります。納付方法には、口座振替や納付書、クレジットカード、アプリなどさまざまな選択肢があります。
失業保険の手続き
辞めた後、ハローワークで手続きを行えば失業保険をもらうことが可能です。失業保険は、求職者が安定した生活を送りながら、再就職するための支援として給付されます。
失業保険をもらうための条件は、以下のとおりです。
辞めた病院から離職票が届いたら、ハローワークに持っていき手続きを行いましょう。
»ハローワーク インターネットサービス 雇用保険手続きのご案内
総合病院を辞めるまでの流れ

「押さえるべき4つの手続きもわかったし、病院を辞めます」と急には辞められません。総合病院を辞めると決めてから実行に移すまでには、3か月はかかります。
総合病院を辞めるまでの流れは、以下のとおりです。
- 就業規則を確認する
- 退職希望日を決める
- 直属の上司に退職の意思を伝える
- 退職日が決まったら退職届を提出する
- 仕事の引き継ぎを行う
1.就業規則を確認する
労働基準法では、期間の定めのない労働規約(正社員雇用)の場合、退職の少なくとも14日前に申し出が必要と定めています。しかし、私が総合病院で約12年間勤めていた中で、14日前に退職を申し出て辞めた事例をみたことはありません。
就業規則に退職を申し出る場合の規約が定められている病院がほとんどであり、3か月前と定めいてることが多いです。
もちろん、14日前に申し出てたら良いと定めている労働基準法の方が、就業規則よりも効力は強いです。ただし、円満に辞めることや仕事の引き継ぎなどを考えると、就業規則を守った方が無難だと思います。

「飛ぶ鳥跡を濁さず」です。まずは、自分の病院の就業規則を確認しましょう。
2.退職希望日を決める

退職希望日は、自分が希望する日で構いません。心身ともに疲れてすぐに辞めたい場合は、我慢する必要はありません。すぐに退職を申し出ましょう。
辞めたいけど、もう少し我慢できそうな人におすすめな辞めるタイミングは、以下のとおりです。
退職金の計算方法は、それぞれの病院によって異なり「在籍9年11か月で辞めたけど、10年目だと退職金が大幅に増えた」などの場合もあり得ます。病院によっては、退職金のシュミレーションができるため、庶務係に問い合わせてみましょう。
12月前に辞めると、翌年に確定申告を自分で行わなければなりません。病院で勤務している間は、年末調整を行ってくれるため確定申告は不要です。12月まで勤めていれば病院が行ってくれます。
不慣れな年末調整を避けたい場合は、12月に退職することをおすすめします。

私は12月末に辞めたので、ボーナスをもらえ年末調整をしてもらえて楽でした。
3.直属の上司に退職の意思を伝える
退職日を決めたら直属の上司に退職の意思を伝えましょう。辞めるか悩んでいると伝えると引き止めにあい、辞められません。
「意思を伝えるときには、◯月に退職します」と断言することが大切です。
4.退職日が決まったら退職届を提出する

退職する旨を伝え、退職日が決まったら退職届を提出しましょう。退職に関する書類は、各病院で様式が決まっています。
上司や庶務係に確認し、不備がないように書類を作成しましょう。
5.仕事の引き継ぎを行う
円満に辞めるために最も重要なポイントです。係や委員会など、何か役割があった場合は必ず引き継ぎを行いましょう。
退職日が決まった時点から、丁寧に時間をかけて引き継ぎを行いましょう。
総合病院を辞めた後の子持ち看護師に待っている新たなライフスタイル

育児との両立は大変で心身ともにきつく、ほとんどの子持ち看護師が毎日身を擦り減らしながら働いています。忙しいのがスタンダードだと、病院を辞めた後のライフスタイルがイメージできないでしょう。
病院を辞めた後のライフスタイルを得られるメリットとデメリットにわけて詳しく解説します。
子持ち看護師が病院を辞めた後に得られるメリット
子持ち看護師が病院を辞めた後に得られるメリットは、以下のとおりです。
家族との時間を増やせる
病院勤務を辞めることで、育児や家族との時間を十分に確保できるようになります。子どもの成長を身近で感じたり、家族イベントや生活習慣に積極的に参加したりできるようになります。
自己管理や自己投資の機会が得られる
辞めることで時間に自由ができ、趣味や学びたいスキルの習得に時間を充てられます。子どもが成長して手が離れた後に、キャリアを再開するための資格取得やスキルアップの準備に集中することも可能です。
ストレスが軽減できる
病院勤務特有の夜勤や長時間労働、人間関係のストレスから解放され、心身の健康を保ちやすくなります。家族に対してもより穏やかな気持ちで接することが可能で、家庭全体の雰囲気がよくなることが期待されます。
子持ち看護師が病院を辞めた後のデメリット
子持ち看護師が病院を辞めた後のデメリットは、以下のとおりです。
収入の減少
病院を辞めることで安定した収入を失うため、家計の負担が増えることがあります。特に一馬力で生活する場合や、再就職までの期間が長引くと、経済的な不安が大きくなる可能性が高いです。
キャリアの停滞
長期間仕事を離れることで、スキルが時代遅れになるリスクや、再就職の際にブランクが不利になる場合があります。
看護師は常に最新の医療知識や技術が求められるため、離職中に知識が薄れてしまうことが懸念されます。
社会的なつながりの喪失
職場を離れることで、同僚や医療関係者との人間関係が希薄になり、社会的な孤立を感じることがあります。職場での交流が減ることで、自分の存在価値や社会的な役割を感じにくいです。
以上のデメリットは生活やキャリアに影響を与えるため、辞める前に十分に検討することが重要です。
看護師を辞めた後の再就職の選択肢

看護師を辞めた後、しばらくすると看護師として働きたい気持ちが再燃する可能性があります。看護師業界は人材不足であるため、再就職は他の業種に比べてしやすいです。
再就職や復職の選択肢について、以下の2点について、解説します。
再就職しやすい看護師求人の探し方
再就職しやすい看護師求人の探し方は、まず自分の希望条件を明確にすることが重要です。総合病院を辞めた後の生活と働いてたときの生活とを比較し、何が自分にとって大切なのかを考えましょう。
自分が大切にしたいことがわかると優先順位が自然とわかります。明確にしたうえで、転職サイトのエージェントに希望条件を伝えることが重要です。

求人情報数が15万件以上で看護師転職サイト業界トップレベルである、レバウェル看護の利用がおすすめです。
辞めた後にスムーズに就活するための準備
辞めた後しばらくすると、スキルを落としたくない気持ちから看護師として働きたくなる可能性が高いです。実際に私もそうでした。だからといって、時間に縛られる正社員やパートで働きたいわけではない。そんな中利用したのは、派遣ナースでした。
派遣ナースの特徴は、期間を決めて自分の都合で働ける点です。単発でクリニックやイベントで働く場合もあれば、数か月単位で病院で働く場合もあります。
さまざまな職場で働ける点がメリットです。看護師として活躍できる場は総合病院だけではありません。派遣ナースでさまざまな場所で働くことで、再就職のための選択肢を広げることも可能です。

おすすめの看護師転職サイトであるレバウェル看護には、派遣専用のサイトもあります。
まとめ

本記事では、以下を解説しました。
辞めてみてから得られることは多いです。辞めても看護師は、再就職しやすいので安心してください。ずっと働き続けることも大切ですが、一度立ち止まって考えることも後悔しない人生を歩むためには重要です。
退職後に必要な手続きを把握しておくと、辞めた後の不安を軽減できます。4つの手続きを押さえておきましょう。

辞めてからの不安を軽減するためにも、看護師転職サイトに登録することをおすすめします。