看護師として働きながら、もっと自由な生活を送りたいと考える看護師は多いです。看護師をしながら自由な生活をする選択肢として、フリーランス看護師という働き方があります。
この記事では、フリーランス看護師の仕事内容、メリット・デメリット、向いている人の特徴、仕事の探し方まで詳しく解説します。
フリーランス看護師を知ることで、理想の働き方を見つけるヒントを得ることが可能です。
フリーランス看護師とは業務委託契約で働く看護師
フリーランス看護師とは、特定の組織に所属せずに個人事業主として活動する看護師のことです。業務委託契約を結ぶため、働き方や収入などが病院や施設に雇用されている看護師と異なります。
ここでは、フリーランス看護師と病院で働く看護師の違いや年収をまとめます。
フリーランス看護師と病院で働く看護師の違い
フリーランス看護師と病院で働く看護師の違いは、契約方法です。病院で働く看護師は病院と雇用契約を結びますが、フリーランス看護師は業務委託契約を結びます。
フリーランス看護師と病院で働く看護師の違いを以下の表にまとめます。
フリーランス看護師 | 病院で働く看護師 | |
---|---|---|
指揮命令権 | 基本的に委託元の指揮命令を受けない | 病院の指揮命令を受ける |
働く場所 | 自分で決められる | 雇用主の指示に従う |
就業時間の拘束 | 就業時間の拘束なし | 8:30〜17:00など決まった時間の勤務が必要 |
報酬 | 業務遂行に対する報酬(成果ベース) | 月給など契約で定められた給与 |
健康保険 | 国民健康保険 | 勤め先の健康保険 |
雇用保険・労災保険 | なし | あり |
年金 | 国民年金のみ | 国民年金+厚生年金 |
それぞれの働き方にメリットやデメリットがあるため、一概にどちらが良いとは言えません。自分のライフスタイルやキャリアプランに合わせて検討しましょう。
フリーランス看護師の年収はどれくらい?
フリーランス看護師の年収は、個人の働く量やスキルによる影響が大きく、一概に述べることは難しいです。
フリーランス白書2023によると、フリーランスの年収で一番多いのは、200〜400万円未満という結果がでています。看護師は専門職のため、資格を上手く活用することで一般的なフリーランスの平均年収よりも稼げる可能性が高いです。
厚生労働省の調査によると、看護師の平均年収は500万円前後という結果が出ています。
人によってはフリーランス看護師になることで収入が下がる可能性もあるため、注意が必要です。
フリーランス看護師の働き方9選
フリーランス看護師は、場所や時間にとらわれない働き方ができます。自分のスキルを生かし、興味や関心がある職場を選んで働くことが可能です。
ここでは、フリーランス看護師の働き方を9つ紹介します。
常勤看護師の休日等のヘルプ
常勤看護師が休日等でいないときのヘルプとして働きます。看護業界は慢性的な人手不足のため、需要は高いです。今までキャリアや経験を積んでいる人は即戦力として重宝されます。
【レバウェル看護派遣】などの医療機関とフリーランス看護師をマッチングさせるプラットフォームもあります。
訪問看護師
訪問看護ステーションと契約を結び、在宅医療の現場で働くことも可能です。国は在宅医療を推進しており、訪問看護師の需要が年々増加しています。
アートメイク看護師
アートメイク看護師は、眉や唇にアートメイク施術を行う看護師です。アートメイク看護師として美容クリニックなどと業務委託契約を行い、患者さんに施術を行います。
近年、日本の美容医療市場は年々拡大しているため、アートメイク看護師として働くことで高収入を目指せます。特定の技術だけを極めて仕事にできるのも、フリーランス看護師ならではの魅力です。
健診スタッフやイベントナースなどの単発の仕事
定期検診で採血業務などの診療補助や、イベント時の救護室で働くこともできます。不定期かつ単発の仕事でも、フリーランス看護師であれば日程調整が柔軟にできるため、仕事を受けられます。
病院や施設ではなかなかできない経験も、フリーランス看護師であればできます。
トラベルナースとして期間限定で医療機関での仕事
トラベルナースは3〜6か月間、人手不足の病院や施設で働く看護師です。都市圏のみならず、沖縄や北海道、離島など、自分の好きな場所を選んで働けます。
一般的な看護師よりも高収入なので、トラベルナースで稼いだあとは長期の休みを取るなどの自由な働き方も実現可能です。
健康管理・健康相談などの業務委託
企業などと業務委託契約を結び、健康管理や健康相談業務を行う働き方もできます。最近では、オンラインでできる仕事も増えており、場所にとらわれずに働くことが可能です。
予防医療の視点で働けるため、健康の維持・増進に興味がある看護師にとっては魅力的な選択肢の一つとなります。
研修・学会の講師
同業者や非医療従事者に対して、看護や健康に関する研修や学会の講師として活動する働き方もあります。キャリアが長い看護師や専門・認定看護師資格を持っている人などにおすすめです。
今までの自分の経験や専門性を生かして働けるため、やりがいがあります。
医療系ライターとしての活動
医療系ライターは医療の専門的な知識を生かして記事制作を行ったり、ブログ運営を行ったりする仕事です。執筆できる環境があれば、家やカフェなど好きな場所で、自分のペースで働ける点が魅力です。
専門知識を生かした記事制作を行うことで、高収入も目指せます。
看護師として起業
自らビジネスを起こしたい場合、起業も選択肢の一つです。社長になれば、働く時間や働く日数など自由に設定できるため柔軟な働き方ができます。アイデア次第では、高収入も得られます。
看護師資格を生かして起業できる事業は、以下のようなものがあります。
自分のやりたいことで起業すれば、熱意をもって楽しく働くことが可能です。
フリーランス看護師のメリット3選
フリーランス看護師は病院で働く看護師と違い、自由度が高いのが特徴です。人によっては、病院で働いていたころよりもストレスが減り、収入も高くなる可能性があります。
ここでは、フリーランス看護師のメリットを3つまとめます。
働く場所や時間を自由に決められる
フリーランスには決められた労働場所や労働時間がありません。好きな場所で好きな時間に働けるためプライベートとの両立がしやすいです。
ライフスタイルに合わせて、子育て中は仕事量を抑えたり、お金が必要な時は多めに働いたりするなどの調整もできます。
さまざまなことを自分でコントロールしやすいのがフリーランス看護師のメリットです。
職場の人間関係の悩みが減る
病院で働く看護師だと、嫌な同僚がいても働く時間や働く場所を簡単に変えられません。しかし、フリーランス看護師は、柔軟に働く環境を変えられます。
人間関係の悩みが減り、仕事に集中して働くことが可能です。嫌な同僚がいた場合、契約を終了できる権利があるのもフリーランス看護師のメリットです。
働き方次第では高収入が期待できる
フリーランス看護師は、高時給・高単価の仕事を受注することで高収入が期待できます。病棟看護師は毎月決まった給料を貰いますが、フリーランス看護師は働いた量に応じた収入が得られます。
自分の裁量で収入の調整ができるのは、フリーランス看護師のメリットです。
フリーランス看護師のデメリット3選
フリーランス看護師に対して良いイメージを持っている人は多いですが、デメリットも存在します。メリットしか知らずにフリーランス看護師になると、苦労する可能性があるため注意が必要です。
ここでは、フリーランス看護師のデメリットを3つ紹介します。
常勤で働くよりも収入が不安定になりやすい
フリーランス看護師は高収入を目指せますが、逆に収入が減るリスクも理解しましょう。常勤看護師は基本給などの固定給がありますが、フリーランス看護師は決まった額の給料はありません。
福利厚生や手当がない
フリーランス看護師には、以下のような病院で働く看護師が受けられる福利厚生や手当などはありません。
フリーランスになると働けない間の保障や、将来の保障が手薄になることに注意が必要です。対策として、リスクに備える保険への加入や、貯金を多めに用意するなどがあります。
全て自己管理する必要がある
フリーランス看護師は、仕事に関する手続きやスケジュール・収入の管理など全て自己管理しなければなりません。契約や手続きでわからないことがあっても自力で解決する必要があるため、慣れない作業にストレスを感じる可能性があります。
健康管理も自分で行わなければなりません。病院で働いていれば定期的な休みがあったり、健康診断も無料で受けたりできます。しかし、フリーランス看護師になると、休みや健康診断の手配も自分で調整が必要です。
フリーランス看護師に向いている人
フリーランス看護師は病院で働く看護師とは働き方が異なるため、向き・不向きがあります。ここでは、フリーランス看護師に向いている人の特徴をまとめます。
フリーランス看護師になる前に、適性があるかどうかを考えてみましょう。
コミュニケーションスキルや柔軟性がある人
コミュニケーションスキルや柔軟性がある人はフリーランス看護師に向いています。フリーランス看護師はクライアントのニーズに合わせて仕事を行う必要があるため、汲み取り力や適応力が大切だからです。
人や場所に合わせて適切なコミュニケーションが取れる人は、信頼関係を構築できるため仕事もスムーズに進められます。コミュニケーションスキルが高いと、仕事も獲得しやすいです。
良好な人間関係を構築できると、継続した仕事の依頼や人づてで仕事の紹介を受けられます。
看護師としての経験やスキルがある人
看護師としての経験やスキルがある人は、フリーランス看護師に向いています。理由は、フリーランス看護師は即戦力を求められるため、経験やスキルがあることでクライアントのニーズを満たせるからです。
経験やスキルがあると仕事の獲得に困らず、高単価の案件も受注できるため理想の働き方を実現できる可能性が高まります。
逆に、経験やスキルがない場合、なかなか仕事を獲得できない可能性があるため注意が必要です。
自己管理能力が高い人
フリーランスの働き方は自由度が高い反面、全て自己責任なので自己管理能力が高い人が向いています。自己管理には以下のものが含まれます。
どれか一つでも欠けてしまうと、フリーランスとして長く活動するのは難しいです。
例えば、仕事のスケジュール管理ができないと、仕事のダブルブッキングや出勤日の間違いなどが起こり、クライアントの信用を損ねてしまいます。会計管理ができないと、収支管理が雑になり確定申告で苦労する可能性が高いです。
スキルや技術の管理もとても大切です。フリーランス看護師になると、病院で働いていたころのように、定期的な勉強会の開催や研修に行く機会はありません。
日々、アップデートされる医療現場で働き続けるためには、自ら学び続ける姿勢が大切です。
フリーランス看護師の仕事の探し方
フリーランス看護師が仕事を見つけるにはいろいろな方法があります。一つだけにこだわらず、複数のやり方を組み合わせるのがおすすめです。
ここでは、フリーランス看護師の仕事の探し方を3パターン紹介します。
知人の紹介
知人や、元同僚などのネットワークを活用して仕事を見つける方法があります。信頼関係のある人からの紹介であれば、仕事の質や条件面で安心感がありブラック労働の可能性が低いです。
コミュニケーションも取りやすく、業務を円滑に進められるメリットがあります。
クラウドソーシングサイトを利用する
クラウドソーシングサイトを利用し、案件を受注する方法があります。クラウドソーシングサイトとは、フリーランスや企業向けの仕事の受発注ができるプラットフォームです。
医療系の記事やコラムの執筆、動画編集やSNS運用などの案件も多いです。在宅ワークで稼ぎたい人におすすめです。
レバウェル看護派遣に登録する
【レバウェル看護派遣】に登録することで、安定的に仕事を得られます。看護師派遣サイトは多数ありますが、【レバウェル看護派遣】をおすすめする理由は以下のとおりです。
フリーランスは、収入が不安定なことや、社会保障が薄いことがデメリットとして挙げられます。しかし、派遣看護師と組み合わせて働くことで、収入を安定させ、社会保障を得ることが可能です。
フリーランスの不安定な生活に懸念を感じている人にとって、派遣看護師は有効な選択肢の一つになります。
まとめ
フリーランス看護師は特定の組織に所属せずに自由度が高く、柔軟な働き方ができます。働き方次第では、病院で働いていたころよりも高収入を得ることも可能です。
しかし、フリーランス看護師は安定が保証されていない点に注意が必要です。収入面や社会保障面に不安を感じる場合、派遣看護師などの働き方も組み合わせて対策しましょう。
フリーランス看護師のメリットやデメリットを理解しつつ、自分にとっての理想の働き方を考えてみましょう。
看護師転職サイトの使い方について詳しく書いた記事です。ご覧ください。